ジェズアルド
何の脈絡もありませんが、わたしの好きな作曲家、ジェズアルドの話をしま~す。
ジェズアルドは、15世紀…だったっけな、のイタリアの作曲家です。
地元の貴族の息子だったんですが、
嫉妬のあまり奥さんを殺しちゃって、
それ以来改心し、
残りの生涯を、贖罪と、神を称える音楽の作曲に捧げた…
と大学で習いました。
この人の音楽、15世紀(だったっけか)に突然20世紀の音楽を作ってしまったようなもの、
ダ・ヴィンチがいきなり「ゲルニカ」を描いちゃったようなもんで、
当時はもとより、なが~~~いこと、理解不能とされてまして、
素人のデタラメだ、とか散々言われてきたのが、
評価されるようになったのはつい最近、
20世紀に入ってからのこと。
もんんんのすご~く美しいです。
わたしは、その大学の授業で試聴したその一発でとりこになっちゃいました。
多分、現代ですら、彼の音楽を完璧に歌える声楽家は居ないと思う。
和音の進行とかが、もう想像を絶してすごいの。
何か美しい感情を呼び起こす類じゃなくて、鉱物の結晶が美しい、とか、何かの数式が美しい、とかそういう美しさ。
あたしごときの脳みそでは、全然付いていけないんだけど。
で。
ヘルツォークという変なおっさん…もとい、ドキュメンタリー監督が、このジェズアルドの生涯をドキュメンタリーにした、というので見にいったら、
んもう、あまりにもめちゃくちゃな変態っぷり、
エログロ作家でもここまでは書けへんやろ、ってぐらいで、
ホントに笑えました。
だってさ~。
まず、この奥さん。
ジェズアルドと結婚する前に、前夫をふたり殺してます。
ベッドで。
かっこい~~~!!!
何をどうやったんやろ?!
技を伝授してほしい・・・。
肖像画が出てましたが、ホントに、もう絵に描いたような(つか絵なんだが)魔性の女で、それ自体ネタとして出来すぎ。
でっ。
その奥さんは、もちろん不倫をしてたわけですが、ジェズアルドがその密会の場に乱入したとき、
相手の男は女装中。
んでもって、奥さんとこの女装中の愛人の殺人も、ホントにまぁ、何から何までめっちゃくっちゃ、この世のありとあらゆる「変態」を網羅し尽くしたようなむちゃくちゃさで、
「誰か一人ぐらい、普通の人居ろよ!」
って感じです。
が、かなりえげつないので、ここでは割愛。
で、その後ジェズアルドは、深い罪悪感にとらわれ…
以降の人生、毎晩毎晩、とある侍女に自らを鞭打たせて、罪を贖ったのだとか…。
で、ある日、鞭打たれすぎて、天に召されたんだそーな。
よかったねぇ。
この作品のヘルツォーク監督、変人のドキュメンタリーばかり作ってるんですが、これまた淡々とした取り方、語りで、それもまた笑えるし、
「わたしはジェズアルドの妻の生まれ変わり」
という女性歌手が出てきたり、
ジェズアルド研究家のイギリス人の教授が、真面目にふつーに変態ストーリーを語るのも、
イタリア人の合唱団が熱を込めて歌ってるのも、
何もかも変で、ホントに笑いが止まりませんでした。
クラシック音楽が高尚だなんて、まったくの嘘、嘘だね。
世に名を残す作曲家たち、マジで、社会不適応の変態サンばっかです。
作品の中でも、変態パワー炸裂。
だから好き♡